あけましておめでとうございます!
旧年中は大変お世話になりました。
本年も小児科医局員一同頑張りますので宜しくお願いします。
今日は保湿について書いてみたいです。
冬になって乾燥で困っている方が多いと思います。
保湿しましょう・・と言われますが、実際どのように保湿すれば良いのか疑問に思う方が
多いと思います。
簡単に解説しますね(*^^*)
まず、押さえて頂きたいのは保湿剤は大きく2種類に分かれることです。
モイスチャー効果のある保湿剤と、エモリエント効果のある保湿剤です。
肌に水分を与えるのがモイスチャー効果。
肌をからの水分蒸発を抑えるのがエモリエント効果。
・・とざっくり覚えてください。
実際の保湿ですが、以下の3つのステップで考えると分かりやすいです。
肌の保湿は畑に例えられることが多いので、畑の例えも交えながら解説しますね。
①肌に水分を与える
これは畑に水を与えることに相当します。
肌に水分を与えることはモイスチャー効果と呼ばれています。
モイスチャー効果を期待して、保湿成分のある化粧水やヘパリン類似物質(ヒルドイド、ビーソフテンなど)などを外用します。
必ずしも外用だけが肌に水分を与えるわけではなく、入浴やシャワーでも肌に水分を与えることが可能です。
しかし、後述するように、皮脂を落としていない状態では肌まで水分が届かないので、まずは石鹸やボディーソープで皮脂を落とした上で肌に水分を与える必要があります。
②肌に栄養を与える
女性であれば、化粧水の後に美容液を塗られる方が多いと思います。
畑に肥料を与えることに相当します。
肌に様々な栄養素を補います。
ただ、特に小児に保湿するに当たってはこの段階は必ずしも必要ではありません。
③水分が蒸発するのを防ぐ
畑にビニールシートを覆うことに相当します。
肌から水分が蒸発するのを防ぐことはエモリエント効果と呼ばれています。
肌から水分が蒸発するのを防ぐために、乳液やクリーム、プロペトなどを外用します。
病院で処方できるのは、
(1)モイスチャー効果のある保湿剤:ヘパリン類似物質(ヒルドイド、ビーソフテンなど)
(2)エモリエント効果のある保湿剤:プロペト、ワセリンなど
の2種類です。
入浴後など肌に水分がある時には、エモリエント効果のあるプロペトを塗って保護することが効果的です。
ただ、肌が乾燥している状態状態にいきなりプロペトを塗っても効果がありません。
乾燥している畑の上にビニールシートを敷いても畑は乾いたままであることと同じです。
外用すると一見はツルツルしているように見えますが、その下は乾燥したままです。
エモリエント効果のある保湿剤や皮脂で覆われていても、肌が乾燥している状態を、インナードライと呼びます。
肌が乾燥してる状態の場合、まずはモイスチャー効果のある保湿剤(ヒルドイドなど)を塗って肌に水分を与える必要があります。
その後でプロペトなど、エモリエント効果のある保湿剤を使用するようにして下さい!
また、よく聞かれる疑問があります。
「石鹸やボディーソープで皮脂を落とさない方が良いって本当ですか??」
芸能人では、福山雅治やタモリが実践していますね。
皮脂を落とさずにいることで水分の蒸発を防げます。
しかし、これは天然の保湿因子が多く、元々肌の水分量が多い方には有効ですが、他の方には適していません。
特にアトピー性皮膚炎がある方などは、フィラグリン遺伝子という遺伝子が欠損して天然の保湿因子が作り出せない方が多いです。
そのような方は皮脂があってもその下の肌は乾燥している、インナードライの状態です。
この状態を改善させるためには、皮脂を落として肌に水分を与える必要があります。
皮脂があると皮膚に水分が届きません。
畑の上のブルーシートの上から水をかけても畑には水が届きません。
そのため、まずは石鹸やボディーソープで皮脂を取った上で水分を与える必要があります。
正しい手順は以下です。
まずは皮脂を落とす。
そして、入浴後にモイスチャー効果のある保湿剤で肌に水分を与える。
その後に必要があればエモリエント効果のある保湿剤でパックする。
是非実践してみて下さい(*^^*)
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