こんにちは!
GWが終わり、当科でも本格的に業務が再開しました。
GW中の入院はかなり多かったです。
喘息やRSウイルス感染、胃腸炎などがメインですが、基礎疾患があって増悪した可能性のある重症な症例もいました。
現在、当科ではグループ制となり、3グループあります。
各グループ10-15人程度の受け持ちになっています。
初期研修医の先生や学生を含め、グループで朝と夕方の回診を行い治療方針を決定しています。
さて、水曜日はカンファレンスで抄読会がある日です。
5/10の抄読会は中陳先生の担当でした。
片腎症と多嚢胞性異形成腎の合併症などの違いについての論文です。
片腎症の方が腎以外の奇形や、遺伝素因を合併する可能性が高く、高血圧や蛋白尿、慢性的な腎機能障害が出る確率が高いという結果でした。
Pediatric Nephrology(2021) 36:3673-3680
単独性機能腎の結果:片腎症は多嚢胞性異形成腎とは異なる。 小児腎臓病学 2021年 カナダ
背景:MCDK(多嚢胞性異形成腎)及びURA(片腎症)は、単独性の機能腎のよく知られた原因で、長期的な腎障害に関連しています。この研究での目的は、我々の施設での単独性の機能腎の経過を特徴づけ、慢性腎障害に関連する因子を定義し、URAとMCDKの転帰を予想する特徴を特定することでした。
方法:230人の単独性の機能腎の患者さんの後方視的コホート研究でした。MCDK160人、URA70人について、診断時の臨床的特徴、また腎臓の転帰を比較しました。高血圧、蛋白尿、CKDの複合した転帰から定義づけられる慢性腎障害の独立したリスク因子を定義しました。
結果:URAは併存する遺伝的症候群(15%vs6% p=0.04)、腎以外の奇形(39%vs11% p<0.001)、CAKUT(51%vs26%p<0.001)の有病率がMCDKより高かった。追跡調査では、URAは高血圧(19%vs3%p=0.002)、蛋白尿(12%vs3% p=0.03)、複合的な慢性的な腎障害(19%vs6% p=0.003)がMCDKより多かった。慢性的な腎機能障害の独立した危険因子としては、CAKUT(OR5.01 p=0.002)とURA(OR 2.71 p=0.04)が含まれました。
結論:私たちの集団では、URAはMCDKよりも症候群や奇形との関連がより多く、経過とともに悪い結果をもたらすことが多かった。URAの診断は、慢性腎機能障害の独立した危険因子でした。この結果は、単独の機能腎の管理の標準的な臨床に使用されていくでしょう。
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